ニキビはなぜできるのか?
思春期になると男女ともに男性ホルモンの分泌が活発になり、皮脂の分泌が盛んになります。
また、毛穴のまわりの角質が厚くなり、毛穴がつまりやすくなり皮脂がたまってきます。
そこにニキビ菌(アクネ菌(Cutibacterium))が増えます。この4つがニキビをつくる原因です。
ニキビは思春期にできやすくなり、大人になると自然によくなっていきます。
大人のニキビは女性ホルモンと男性ホルモンのバランスの崩れが一因とされ、思春期のニキビとは経過やできる場所が変わってきます。
ニキビの最初の症状は、面皰(めんぽう)という毛穴に皮脂がたまった状態です。毛穴の先が閉じている白にきびと、毛穴の先が開いている黒にきびがあります。
毛穴に炎症がおこると赤いぶつぶつ(丘疹(きゅうしん))となり、さらに炎症が進むと膿がたまったぶつぶつ(膿疱(のうほう))になります。
さらに炎症がひどくなると、皮膚の下に膿がたまった袋ができることもあります。
炎症が治まって平らになっても、赤み(炎症後紅斑(えんしょうごこうはん))が残ることがあります。
また、炎症が強いと、ニキビあと(肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん))や陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん))が残ってしまうことがあります。
実際のニキビの症状は、面皰や丘疹、膿疱、炎症後紅斑、瘢痕などが混じっています。
ニキビの種類
ニキビは、ほとんど目立たない白ニキビから、黒ニキビ、赤ニキビ、黄ニキビと進行していきます。
白ニキビ | 毛穴に皮脂が詰まり白っぽく見えるニキビです。 痛み、腫れなどの症状はありません。 |
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黒ニキビ | 毛穴が開き、詰まった皮脂が空気にさらされて酸化し、黒っぽくなったニキビです。 |
赤ニキビ | 黒ニキビが炎症を起こし、赤くなったニキビです。 |
黄ニキビ | 炎症が強くなり、内側の膿が透けることで黄色っぽく見えるニキビです。 重症化すると、ニキビ跡が残りやすくなります。 |
ニキビの治療
ニキビにはさまざまな原因がありますので、患者様の症状に応じていろいろな治療を併用してニキビを治していきます。
当院では、保険適応のある以下の治療をしています。
毛穴の角化を抑え、皮脂の排出を促す治療 | 外用レチノイド(アダパレン)外用(ディフェリンゲル、エピデュオゲル) 過酸化ベンゾイル外用 (ベピオゲル、エピデュオゲル、デュアック配合ゲル) 硫黄製剤外用(イオウカンフルローション) |
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ニキビ菌の増加を抑える治療 | 抗生物質外用(ダラシンTゲル(クリンダマイシン)、アクアチムクリーム(ナジフロキサシン)、ゼビアックスローション(オゼノキサシン)など) 抗生物質の内服(ミノサイクリン、テトラサイクリン、ビブラマイシンなど) 過酸化ベンゾイル外用 (ベピオゲル、エピデュオゲル、デュアックゲル) |
炎症後の色素沈着に対する治療 | ビタミンCの内服(シナールなど) |
漢方薬 | 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう) 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) 枝茯苓丸加苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん) 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) など、患者様の体質に合わせた漢方治療も可能 |