白癬を起こす皮膚糸状菌(白癬菌)というカビは、世界には40種類以上存在します。
日本ではこのうちの10種類ほどがヒトに白癬を起こすことが知られています。
その中で最も頻度が高いのが、
- トリコフィトン・ルブルム*(足白癬、爪白癬に多い)
- トリコフィトン・インタージギタール*(足白癬、爪白癬に多い)
- トリコフィトン・トンスランス*(格闘技選手の間で流行る、いわゆる「マット菌」)
です。
白癬菌は人ばかりでなく動物にも感染します。動物に寄生する白癬菌が人に感染することがあり、代表的なものが、犬猫に寄生しているミクロスポルム・カニス(イヌ小胞子菌)というカビです。
検査は顕微鏡で鏡検
病変部の皮膚のカサカサしたところや、水疱をピンセットなどでとり、プレパラートに乗せて専用の溶液をかけたものを顕微鏡で見て調べます。
顕微鏡でみた白癬菌(顕微鏡の写真)
足白癬、手白癬、股部白癬
手や足のかゆみ、カサカサ、水疱、陰部、おしりのかゆみなど…
こういった症状がある方は、当院にご相談下さい。 治療は、抗真菌薬の外用や内服です。
爪白癬
爪が白~黄色く変色してきたら…爪水虫かもしれません。
顕微鏡の検査で確認してもらいましょう。
爪白癬は外用薬と内服薬の治療があります。 塗り薬で治らない患者さんは、飲み薬で治療します。
約7割の患者さんがきれいな爪になります。 ラミシール(テルビナフィン塩酸塩)錠の内服では、治療期間は6か月、ネイリン(ホスラブコナゾール)の内服では、治療期間は3か月です。
肝臓に持病のある方や、他の内服薬をたくさん内服している方は抗真菌薬の内服が出来ない場合もありますので、ご相談下さい。
頭部白癬
手足の白癬が頭部にうつることがあります。
トリコフィトン・トンズランス
柔道やレスリングなどの格闘技の選手の間で増えています。 毛穴を好み、かゆみ、フケ、脱毛を生じることもあります。 感染力が強く、家族、友人にもうつることがあります。 抗真菌薬の内服が必要になります。