虫さされ
様々な虫に刺されたり、噛まれたりすることによって皮膚に赤み、かゆみ、炎症などが生じる病気です。この原因となる虫は、蚊、ブヨ、ノミ、ハチ、ケムシ、ダニなど多岐にわたります。
虫刺されによって生じる皮膚症状には、虫が皮膚を刺すことによる「物理的な痛み」、皮膚に注入される物質による「化学的刺激による痛み」、皮膚に注入された物質による「アレルギー性の痒み」があります。一般的には、数日以内に痛みや痒みが収まりますが、なかには症状が収まらないケースもあります。
虫さされの治療
主にステロイド外用薬を使用します。症状が強いときは、抗ヒスタミン薬や場合によってはステロイド内服薬を使用します。
虫さされをかきこわして、ひどい湿疹になったり、とびひになることがあります。早めに治療しましょう。
ハチに刺された場合は、血圧低下や意識障害など、強いアレルギー反応が起こることがあります。
その場合は命に係わることなので、救急病院への受診をお勧めします。
当院では、ハチ毒にアレルギーを持っている方へのエピペン(アドレナリン自己注射薬)の処方が可能ですのでご相談ください。
毛虫皮膚炎
毛虫皮膚炎は、ガや蝶の幼虫である毛虫の持つ毒針毛(どくしんもう)に触れることによって起こる皮膚炎です。
原因となる代表的な虫はチャドクガが多く、その幼虫は4~6月と8~10月頃に発生します。庭木や公園のツバキ、サザンカなどを好みます。毛虫の毛は約1mmで人間の目には見えにくく、毛虫に直接触れなくても毛虫がのっていた葉を触ったり、風で毛虫の毛が衣類につくことで皮膚炎を起こします。毛に触れた直後にはほとんど自覚症状がありません。
数時間してからピリピリとしたかゆみが出てきます。その後、1~2日のうちに赤いぶつぶつが広範囲に出現し、強いかゆみを感じます。
毛虫皮膚炎の治療
刺されたことに気付いた場合は、患部に残っている毛虫の毛を、できるだけ早くガムテープなどで除去し、せっけんと流水で洗浄することが有効です。その際、着ていた衣類もすぐに洗濯することが必要です。毛虫皮膚炎はかゆみが強く、ステロイドの外用薬を使います。また抗アレルギー剤の飲み薬を使用する場合もあります。