ほくろについて
ほくろは「母斑細胞」というメラニンを作る細胞が増えてできます。境界ははっきりしていて通常は円形です。年齢とともに数が増え、盛り上がってくることもあります。ほくろは良性の腫瘍(できもの)ですが、まれに皮膚がんと一見区別が難しい場合があります。子供の頃のほくろは通常心配する必要はありませんが、皮膚がんは年齢とともにそのリスクが増えていきます。気になるほくろや、できものがあれば、ご相談下さい。
検査
拡大鏡(ダーモスコピー)で観察し、悪性の有無をみます。悪性が疑わしい場合には一部を切除して病理検査を行ったり、精査が必要と思われる場合は、連携病院へご紹介します。
皮膚がんについて
皮膚がんは、皮膚細胞に生じたがんの総称です。基底細胞癌、有棘細胞癌、メラノーマ(悪性黒色腫)などがあります。
種類によって症状は様々ですが、初期には湿疹のような赤みとして現れたり、また一見ほくろと見分けが付けにくいこともあります。
塗り薬を塗っても効果がない、あるいはほくろが急に大きくなってきた時は、早めにご相談ください。
原因
皮膚がんの主な原因は、紫外線だと言われています。紫外線を浴びて遺伝子が傷つくことで、発がんのきっかけになります。その他慢性刺激、慢性炎症、喫煙、放射線、ウイルス感染、ヒ素なども、皮膚がんの原因となります。
種類
基底細胞癌
最も多い皮膚がんで、日光の当たる顔にできることが多いです。光沢のある黒い結節であることが多いので、ほくろとよく間違われます。
有棘細胞癌(日光角化症を含む)
日の当たる部分である顔や手の甲に境界のはっきりした赤みが出現した場合に、皮膚の浅い部位にがん細胞が存在することがあり、この状態は「日光角化症」と呼ばれます。湿疹と間違えられてステロイドで治療されていることがありますので、ステロイドで治らない赤いカサカサした皮疹は日光角化症を考える必要があります。
進行すると、皮膚の深い部位にがん細胞が進んでしまい「有棘細胞癌」と呼ばれる状態になります。高齢の方に起こりやすい皮膚がんです。
悪性黒色腫(メラノーマ)
メラノサイトというメラニンを作る細胞が、がん化してできます。「ほくろのがん」と呼ばれることがあります。
進行するとリンパ節や体の各臓器に転移することが知られています。早期に見つけて、手術で切除することが最良の治療となります。
- 検査
拡大鏡(ダーモスコピー)で観察し、診断します。
最終的な診断には皮膚がんの一部、もしくは全体を手術でとり、顕微鏡の検査(病理検査)を行うことが必要になります。 - 治療
いずれも最も確実な治療は外科的切除となります。取り残しのないように、一回り大きく切除することが大事です。
皮膚がんの種類によっては、液体窒素による凍結療法、外用療法などが有効な場合もあります。
大きさ、症状によって、検査が必要と思われる場合は、連携病院にご紹介します。