掌蹠膿疱症とは?
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手の平や足の裏に、水ぶくれや膿をもったブツブツ(膿疱)ができ、それが繰り返される病気です。膿胞と一緒に赤み、かさかさ、ひび割れ、爪の変形を生じることもあります。
胸骨・鎖骨・肋骨などに痛み(胸肋鎖関節痛)を伴うこともあります。
膿にウイルスや細菌は含まれないため感染の心配はありませんが、水虫の合併を疑う時は顕微鏡の真菌検査を行います。
掌蹠膿疱症の主な症状
- 手のひら、足の裏の水ぶくれや膿疱
- 膿疱のあとのかさぶた
- 皮膚の赤み、カサカサ、ひび割れ
- 爪の下の膿疱
- 爪のでこぼこ、変形
- 骨・関節の痛み(掌蹠膿疱症性骨関節炎)
水ぶくれや膿疱は、手足のほか、すね、肘、膝などに生じることもあります。
骨や関節の痛みが生じる掌蹠膿疱症性骨関節炎は、皮膚症状とは別の治療が必要になりますので、胸骨・鎖骨・肋骨などに痛みがあるときは必ず医師にお伝えください。ただし、骨・関節の痛みが、必ずしも皮膚症状より後に生じるとは限りません。
掌蹠膿疱症の原因
原因は不明ですが、喫煙(約8割が喫煙者)、扁桃炎、虫歯などの病巣感染(慢性の感染症)や歯科金属アレルギーが関与していることもあります。
金属アレルギーが疑われる場合は、パッチテストを行います。
掌蹠膿疱症の治療法
外用療法
ステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬を用います。
紫外線療法
外用療法との併用が効果的です。
内服薬
かゆみには抗アレルギー薬を内服します。ビタミンA誘導体(エトレチナート)、免疫抑制剤(シクロスポリン)などを用いることがあります。
ビタミン欠乏が疑われる場合には、ビタミン補充療法を併用することもあります。
生物学的製剤
皮疹が広範囲で重症の場合、または掌蹠膿疱症性骨関節炎(胸骨・鎖骨・肋骨などに強い痛みを生じる)を認める場合は、高額ではありますが、生物学的製剤による注射があります。必要に応じて大学病院などの連携病院をご紹介します。